*RMTの項目に引き続き、今回も私事を絡めた内容となります。
ネット占い師とは?
皆さんは、ネット占い師をご存知でしょうか?
その名の通り、インターネットに存在する占い師を指します。実は、私の妹がかつてネットで占い師で活躍しており、ビックリする程に稼いでいました。
ネットで検索すれば最上位にヒットする有名人であり、毎日と引っ切り無しに占いの依頼が殺到していたと言います。それくらい人気なら、さぞレベルの高い霊感やらの才能を持っているに違いない……と、思うでしょう。
ネット占いの現実
しかし、実際は妹に占いの才能なんて有りはせず、完全なる素人さんでした。
漫画で得た風水や方角の知識と、後は弁が立つ程度でしか在りません。
にも拘らず、どうして妹は占いで有名人になってしまったのか?
ネットの占い師とは、どんな存在なのか?
本物の占い師とは?
ネット占い師は、どれほど稼げるのか?
今回は、それらについて簡単に触れていきます。
まず大前提として、占い師に偽物も本物も在りません。強いて言えば、自分を霊能者や魔術師、陰陽師と偽って顧客を騙すような者はペテン師だと、妹が論じます。占いを勉強せずに参入した妹の、同族嫌悪に近い感情だと思っています。
(ちなみに霊能者・陰陽師等に、そもそもの定義が無いので身分詐称にはならないそうです)
ネット占いの活動範囲
妹は大々的な活動をしておらず、ココ〇ラ・ラン〇ーズと言った個人事業主の御用達・クラウドソーシングサイトだけでユーザーを集客していました。
まずは商品のページを作り、そのまま一夜を寝かせた後に確認すると、朝には何人ものユーザーから問い合わせのメールを頂いたと言います。怖くなった妹は、その時にサービスの閉鎖を考えていたそうです。ずぶの素人なのに、沢山の人が集まれば、気後れするのも仕方ありません。
最初の価格設定は無料だったそうです。お金を取れる程の技量は無いと自分で理解していたのでしょう。その結果として初日から大勢のユーザーからメールを頂いてしまい、怖気づいたものの結局と妹は全てのメールに対処したそうです。
妹の販売戦略とは?
まずは十人、二十人くらいを無料で相手した後に、今度は価格を五百円に設定しました。それでも客足は絶えず、最終的に妹の素人のサービスは五千円にまで達していました。
まずは低い価格でサービスの提供を行い、複数の高評価を獲得してから市場に乗り出すというネットビジネスの有様を、妹は無意識に演じていたのです。更に、味を占めた妹は、続いて風水の基礎知識・持論を纏めたPDFを作り、各所にて販売していました。
たかが十ページのボリュームしかないファイルを千円で売っていたようです。五百円で売っている文庫本の方が遥かに有用だろうに、多くのファンを獲得した妹は、そんな実の無い高額のPDFでも荒稼ぎしていました。
合理主義者には考えられない、なんと頭を抱えてしまう実情です。
なお、先述で少し触れたように、占いにおける妹の専攻は風水でした。
始めは漫画で得たカスカスの知識を基に診断する妹も、客足が増す毎に見聞を深めようと、真面目に勉強するようになったと言います。とは言え、妹の殆どは相手の悩みを聞き、内容に沿った服選びをするだけでした。
客層は40代前後の女性
風水と色は密接な関係にあり、それぞれの色によって気の巡りが変わると言い、例えば恋愛に悩む女性客に対しては、鋭気を養うらしい「赤色」を基軸に、服をコーディネートする……という風なアドバイスばかりやっていたようです。
妹曰く、顧客の殆どは、恋愛に悩む三十代・四十代の女性だったと言います。
占いを特に信じる世代であり、妹のファッションセンスも相まって女性からの支持は絶大でした。固定ファンが多く、毎日のようにサービスを購入するというヘビーユーザー(リピーター)も珍しくなかったようです。
稼ぐ時は、本当にビックリする程に稼ぐ妹でした。
最後に
しかし、妹の実績もあって年々とネット占い師が跋扈するようになり、現在は見るに堪えないレベルまで市場が汚染させた状態です。徐々に供給が過多となり、集客の為ならとことん嘘を吐くユーザーで溢れかえり、とうとう売れなくなった妹も一昨年に占いを卒業しました。
サイトを覗けば一目瞭然に、いまや占いカテゴリー内は、詐欺の温床と言わんばかりの状態です。それでも未だに需要は多く、恋愛に悩む女性の客足は絶えず、RMTと同様に、永遠に尽きない倫理観が窺えます。