1文字0.5円以下も珍しくない
近年では、ライターの安売りが横行しています。記憶に新しい話では、とある一部上場企業による、ライターへの報酬が不当に低い問題がありました。
低予算で外注した結果として、経験の浅い素人が担当する状態となり、自然と記事の品質も悪くなってしまい、間違った情報が流出したという内容です。有名企業が大元にも拘わらず、あまりにも少ない報酬が議論を呼びました。
時給500円が普通という風潮
具体的には、二文字で1円という設定でした。一文字で0.5円です。
執筆歴の長い私にとって、この料金設定は非常識に感じます。執筆の平均的な速度は、一時間で大体1000文字と予測されています。一文字が0.5円なら、500円しか稼げない計算です。
業務委託という形態では、労働基準法が問われないものの、この実情は非常に酷いと言えるでしょう。ましてや大企業による案件なのですから、話題を呼ぶも当然です。安い報酬でライターを囲う事業主が蔓延している実情を、心に留めておいて下さい。
ライターの求人を見れば分かる通り、その大企業に限らず、不当に安い報酬を当たり前のように提示する事業所が多々あります。その金額でも妥協してしまうライターが多いのか、それでも意外と人が集まってしまうものです。暇な時間に少しでも稼ぎたいという主婦が多いと聞きます。
その風潮に則る事業主
とにかく、安い報酬でも人が集まるという点に着目して、荒稼ぎに馳せる者が居ると言います。私が目に付けたのは、恋愛小説を大量に生産しては暴利を貪る個人事業主でした。
その者と直接にコンタクトは取れませんでしたが、ライターを募集するページ、生産した商品を販売するページや、そこにリンクするSNSから、内情の把握に至りました。
稼ぐシステムは非常に単純です。勘の良い方なら、冒頭の内容だけで察したと思います。要は、ライターを安値で雇い、低予算で恋愛小説を生産して、それを販売するというだけです。
ロマンス小説は常に需要がある
ジャンルを恋愛に一定するのは、恐らく安定した人気なジャンルであり、稼ぎ易いからという、これまた単純な理由かと思います。
ライター募集のページを見ると、報酬額を一文字0.5円に固定しています。
それから、多少のバラつきは在るものの、平均・二万文字程度の小説を書かせていました。報酬額は、恐らく一万円かと思われます。一万円と聞けば悪くないと思ってしまいますが、二万文字の執筆には結構な時間が要される為に、やっぱりこの金額は不当と言わざるを得ません。
販売先はAmazonの電子書籍
それはさておき、完成した小説は言わずもがな販売に乗り出しています。
その販売先について、その者は一定してAmazonを利用していました。
Amazonにはkindleという電子書籍サービスがあり、数え切れない程に普及しています。その中でユーザーは、決まってkindleのUNLIMITEDという読み放題サービスに登録していました。(正確にはKDPセレクト)
UNLIMITEDは、月額千円程度で様々な書籍が読み放題になるサービスです。
詳細については割愛します。要は、読み放題サービスで読まれたページの数だけ収益が発生する仕組みです。買われるよりも基本的に収益は劣るものの、多くのユーザーが手に取ってくれるメリットがあります。安く大量生産を行い、荒稼ぎしていました。
まとめ
・ライターの安売りが横行
・一文字一円以下が当たり前の時代
・二文字一円でライターを雇い、小説を作る者がいる
・その小説を売り出し、荒稼ぎするユーザーがいる
・読み放題サービスに出品
・ロマンス系は総じて需要がある